食文化の違いを痛感…蒼国来は来日当初、白米にヨーグルトをかけて食べていた
蒼国来が来日したのは2003年6月28日。この年の4月に中国内モンゴル自治区でスカウトし、荒汐部屋として3人目の弟子、初の外国人出身力士となりました。
来日当日は私も成田空港に迎えに行きましたが、待てど暮らせど蒼国来がゲートから出てこない。飛行機も予定通りの時間に到着しています。そうこうしている間に、3時間が経過。もしやと思って入国管理局に電話し、「こういう風貌の少年は来てますか」と聞きました。
私の想像通り、入管でひっかかっていたんですね。言葉がわからないものだから、職員の「何の目的で日本に来たのか」「空港を出たあと、どこに行くのか」などの質問に答えられず、しどろもどろ。
■いざという時の名刺が…
こういう時のために、私は内モンゴル自治区で彼と別れる際、「日本に来て、困ったら誰かにこれを見せなさい」と名刺を渡していました。それがあれば簡単にゲートをくぐれたはずですが、蒼国来はその名刺を大事に扱うあまり、トランクの中に厳重にしまって手荷物として預けてしまっていたんです。本当にもう、可愛いやら困ったやら、でした。