藤波辰爾が68歳にしてYouTuberデビュー「ずっとリングに立ちたい。試合が楽しくて仕方ない」
「(数々の故障で)できなくなる技もあるけど、“これならできる”っていうのを考えるから日々進化です」
趣味はお城。大の城マニアだそう。
「全国巡業で試合の前に城を訪ねるのがルーティンでね。城や城跡に行くとパワーをもらえるから、英気を養って試合に臨むんです。いつか城内にリングを組んでプロレスをしたいという夢もあるんです。全国の城を巡っていると好意的なところもあってね、行政にしっかり働きかければ、不可能ではないんだよ。たいまつでリングをライトアップして……かっこいいでしょ?」
好きが高じて、藤波城の建立を考えたことも。
「家内は大っ反対だったけど、『そしたら4階がリビングでしょ?』なんて、間取りを考えてるんだからまんざらでもないのかな。テレビ番組に出たとき、大阪のハウスメーカーが大阪城の見積もりを出してきて、お城だけで120億円! 『キャンペーン中ですから20億円おまけしましょう』ってオチをつけてくれたんだけど、買えないよって」
68歳で現役、体力に衰えはないのだろうか。
「そりゃありますよ。トレーニングもやりすぎれば疲れが残るから、加減が必要だし。朝、目が覚めたら、すぐ動くと体に悪いから、布団の中で必ず関節など体を動かしてから起きるようにしています。腰を悪くしたりすればできなくなる技もあるけど、それが衰えとは感じていないね。そうなればなったで“これならできる”っていうのを考えるから、日々進化です」
デビュー50周年記念ツアー最終日の12月1日、東京・国立代々木競技場第二体育館で愛弟子・棚橋弘至(45)と対戦する。
「あれもノリで言っちゃったところもあるんだけど(笑)。どれだけのパフォーマンスができるか不安はありますよ。でも、彼に付き合える器用さが僕にはないので、藤波辰爾は藤波辰爾のスタイルを貫くしかない。昔は、年270日以上試合をしていたときもあったけど、試合がしたくてたまらなかった。今も気持ちは変わらないから引退なんて考えられないし、ずっとリングに立ちたい。試合が楽しくて仕方ないんです」
(取材・文=伊藤雅奈子)