柔道100kg級金 ウルフ・アロンの矜持「メディア露出は第一線で活躍しているときこそ意味がある」
全柔連は前向き
──柔道界の仲間の反応は?
「僕のことを批判的に言ってくる人は仲間内にはいないですね。意外と。全柔連も前向きに捉えてくれています。マネジャーさんが全柔連の幹部の方から、どうやってマネジメントしているのか教えてほしいと聞かれたそうです」
──SNSへの投稿や記事に対する反応やコメントは見る?
「見ますよ。そういうのを見るのが好きなんです。批判的なコメントを見ても大丈夫です、僕は」
──スポーツ選手、芸能人など、常に注目されている人の中には、コメントへの反応をあえて見ないという人もいる。
「それでメンタルをやられてたら、柔道の緊張感のある戦いはやっていけない。そもそもこの世の中、全員が全員、同じ方向を向くわけではない。人それぞれ十人十色。ある程度、批判的なコメントを減らす行動も大事だと思いますけど、そこに重きを置いて行動する必要は全くないと思う。自分自身がブレブレになってしまいますから」
──今後もメディアでの活動は続けていく?
「試合が終わったら、その後の1週間くらいは仕事を入れて、また試合を迎えるというような形でやれたらなと思ってるんですけどね。練習と試合に支障がないように、うまくバランスを取りながら、ある程度、継続して活動することによって、皆さんの記憶の中からも消えないと思いますし。もちろん、引退してからでもできると思うんですけど、第一線で現役でやっているときだからこそ、メディアに出ることに意味があると思ってます。実際にテレビに出ている選手が試合もしている方が、見てくれている人も柔道の試合を見に行きたいと思ってくれるんじゃないかなと」
──現役だからこそ出ることに価値があると。
「そうですね。僕自身にとっても、現役の間に自分の価値を上げておくことによって、引退後の可能性も広がってくると思う。引退して、さあこれから、メディアで活動していこうとしても、準備ができていない状態だと思う。今から自分の幅を広げておくことはメリットしかないと思うんですよね」
──現役の時から先々も考えながら、柔道の知名度も上げる。
「柔道は野球やサッカーと違って、試合数は多くありません。大会ごとの一発勝負です。1試合が長くて5分とすると、5試合で計25分。その間に顔や名前を覚えてもらわないといけない。それだと結局、あまり記憶に残らないと考えると、メディアに出ることの価値は大きいです」