宇野昌磨が世界フィギュアの選考に苦言…「総合的判断」残る日本スポーツ界のアンフェア

公開日: 更新日:

 この「総合的」という曖昧な選考基準は、他のさまざまな競技でも物議を醸してきた。スポーツライターの小林信也氏は言う。

「『総合的に判断』という選考基準を残している競技は少なくなっています。バドミントンは世界ランキング、過去に『総合的判断』という曖昧な基準でしばしばモメたマラソンはMGCという一発勝負に近い選考会を設けた。選手選考に『総合的判断』という選択肢を持たせると、団体が選手を支配する関係も生まれやすい。ある競技の合宿では成績の伸びない選手に『そんな練習だと代表に選んでやらないぞ』というパワハラに近い発言も聞きました」

 特に五輪の代表選考に関わる大会になると、この曖昧な基準はモメにモメる。すべての競技を世界ランクもしくは一発選考にすべきではないか。

「もし、優秀な選考委員がいるのであれば、一発勝負ではなく逸材を抜擢して結果を出す方法もあると思います。ただ、そういう人材がいない場合、不正が起こる可能性がある。特に最近はプロ化が進んでいるため、曖昧な基準によって損害を受ける選手も増えてきている。誰もが納得できる形で選考するならば一発勝負がフェアで妥当かなと思います」とは小林氏だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中日・井上新監督が抱える「中田翔」というジレンマ…復活に期待も世代交代の障害になりかねない

  2. 2

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  3. 3

    佐々木麟太郎の注目度・待遇はメジャー級 “大谷の母校の監督の息子”で試合運営側が忖度も?

  4. 4

    百田尚樹代表《終わったら全部言う!》宣言 日本保守党3議席獲得で飯山陽氏との“暗闘”どうなる?

  5. 5

    自民・小泉進次郎氏は「選対委員長辞任」でさっさとトンズラ…選挙期間中の“食レポ”にも批判が殺到

  1. 6

    国民民主の躍進予想に水差す醜聞…千葉5区出馬の新人・岡野純子候補に「政治とカネ」疑惑

  2. 7

    年収5000万円もありながら“2つの病”に勝てなかったジャンポケ斉藤慎二の転落

  3. 8

    伊藤美誠がパリ五輪シングルス代表絶望で号泣…中国も恐れた「大魔王」はなぜ転落したのか

  4. 9

    共産党は“裏金スクープ連発”で自民惨敗させるも議席減…強まる《政党名変えたら?》に党の見解は

  5. 10

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」