スイスなど「3カ国連合」が2030冬季五輪に意欲…札幌に強敵出現で「招致断念」ダメ押し
東京五輪を舞台にした汚職、談合事件などの影響で五輪に対する世間の逆風が強まっているが、札幌市は相変わらず2030年冬季大会招致を目指している。しかし、“伏兵”の参戦でいよいよ望みはついえそうだ。
スイスの日刊紙「ル・タン」(電子版=4日配信)が、「スイス南部のバレー州が、周辺のフランス・イタリアの一部地域と共に、30年大会以降の冬季五輪の招致を目指す準備を進めている」と報じた。スイスのオリンピック委員会は「7年後の(30年)大会招致は時期尚早で現実的ではない」と慎重な姿勢を示しているというが、札幌市に激震が走っている。市政関係者が言う。
「市は五輪に対する嫌悪感を払拭するため、スポーツ庁とJOC(日本オリンピック委員会)が立ち上げた、大規模なスポーツ大会の運営組織のあり方を検討するプロジェクトチームの指針を踏まえ、大会運営体制を見直す方針です。その上で、市民に賛否を問う2回目の意向調査を実施する予定になっている。これからというタイミングで第三者の名前が浮上するなんて想定外です」
しかも、急浮上したスイス・フランス・イタリアの「3カ国連合」は、かなり有力だ。ル・タンによると、具体的な開催予定地はヨーロッパアルプスの中腹に位置し、バレー州と隣接する仏・シャモニー、伊・アオスタ渓谷。特にシャモニーはヨーロッパ最高峰・モンブランの麓の高級リゾートで、1924年の第1回冬季五輪の開催地でもある。「世界中のスキーヤーの憧れの地」(スポーツ業界関係者)だ。こうなると、札幌は白旗を揚げるしかないのではないか。スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏が言う。