WBCで正捕手狙うヤクルト中村悠平 「開き直りや思い切りも重要。それを配球に生かしたい」
メジャー組とのコミュニケーションは?
──メジャー組のダルビッシュは宮崎合宿から参加する一方で、大谷翔平は大会直前の合流に。
「ダルビッシュさんについては、(チームの先輩で09年大会で同僚だった)青木宣親さんから『優しい先輩だよ』と聞いているので、気さくに話しかけにいこうと思います。(大谷とは)首脳陣が早めに登板日を伝えてくれると思うので逆算しながら、しっかりとコミュニケーションを取って信頼関係を築いていきたい。いろいろと話を聞きたいなと思っています」
──本番に向けた配球のイメージは?
「セの投手の球は、公式戦での対戦でだいたいの球種や球質が頭に入っています。それを軸に、決して一方通行にならないように、『僕はもっとこうしたいところがあるんだけど』と伝えてみようかなと。ライバル国には能力がある選手がたくさんいますが、あくまで人間であってロボットじゃない。配球を組み立てるときに臆することがあるかもしれませんが、いかに大胆にいけるか。開き直りや思い切りも重要だと思うので、それを配球に生かしたい」
──WBC球に苦戦している投手もいる。同じく代表入りした同僚・高橋奎の球を受けた印象は?
「(高橋奎は)ボールの感触や感覚を考えながら投げていて、その話をよくします。捕手の僕でも、統一球とWBC球では握った感覚が全く違う。基本的にはそれぞれの投手の最優先する球は常に使いつつも、投手それぞれにWBC球にマッチする球種があると思う。ただ、ボールの感覚は試合日の湿度などで全く変わってくるはずですから、今日は使える球だと思っていても、翌日はそうではないかもしれない。難しい判断になるでしょうが、その都度、見極めていきたいですね」
──代表では、正捕手を。
「もちろんレギュラーでマスクをかぶれればいいですけど、素晴らしい選手しか来ないので、なかなかそういうわけにもいかないところがあります。捕手全員で切磋琢磨して、その中で掴み取る……っていったら言い方がおかしいですけど、『行くぞ』と言われたときにしっかりと準備しておくことが一番大事だと思っています。ヤクルトで培ってきたものをしっかり代表で出して、チームを引っ張る力であったり、バッテリーで試合をつくっていきながら、何とか勝利をモノにしたいです」
(聞き手=杉田帆崇/日刊ゲンダイ)