巨人は年俸1位でも満足度7位 元凶は原全権監督のマネジメント音痴…阪神と“逆転現象”ナゼ
日本プロ野球選手会が24日に発表した、選手会に加入する714人の支配下選手(外国人選手は対象外)の今季の年俸調査結果が物議を醸している。
球団別の平均年俸は、巨人が6807万円でソフトバンクを抜いて4年ぶりに12球団トップに返り咲いた。それなのに、2022年オフの契約更改の満足度アンケートは7位(42.67%)だったのだ。
一番カネをもらっているはずの巨人の選手の満足度が低いのはなぜか。巨人OBで元投手コーチの高橋善正氏(評論家)がこう指摘する。
「球団内の年俸の格差が大きいからでしょう。これはずっと言われていることですが、丸(4億5000万円)や梶谷(2億円)のFA移籍組、トレード加入ながら中田の年俸(2億円)も高額です。さらに、今季故障や不振にあえいでいる坂本(6億円)、菅野(5億円)といった主力の年俸も高過ぎる。今年はFA補強こそ行わなかったが、その分、外国人選手を大量に補強したため、他球団と比べ、若手、中堅選手の一軍での出場がかなり少ないのです」
高橋氏が続ける。
「昨季プロ初勝利を挙げた若手投手は8人もいたはずなのに今季、開幕ローテーションに入れたのは赤星だけ。その代わり、原(辰徳)監督(64)は目先の結果を求めて新助っ人を3人も組み入れた。野手を見てもベテランや外国人選手が重用され、近年レギュラーの足掛かりをつくったはずの松原なんて二軍に塩漬け状態。一軍に呼ばれても、ほとんど試合に出してもらえない。二軍で絶好調だった秋広も一軍に呼ぶのが遅いし、呼んでからも1週間くらいベンチに置いていた意味が分からない。これじゃあ、いつまでたっても彼ら若手、中堅の給料は上がらないし、一部の高年俸選手との格差も一向に縮まらない。巨人の選手の不満は、ほとんどがこれでしょう。これは編成面の全権を握る原監督の方針。原監督のマネジメントのまずさが招いた結果というしかありません。監督が代わらない限り、選手たちの満足度は上がらないでしょう」
昨オフの契約更改を見てもそれは明らか。出場が21年の135試合から50試合に激減した松原は年俸4000万円から3100万円にダウン。一軍出場のなかった秋広も同600万円から630万円にとどまっている。
昨年も平均年俸は2位だったが、満足度は12球団中11位の23.68%。「逆転現象」はさらに顕著だった。今年は多少改善されたとはいえ、依然として年俸と満足度のアンバランスさが際立っている。
「WBCで日本代表の世界一に貢献した戸郷と大勢が『将来的にメジャーに行きたい』と公言したでしょう。今すぐではないにせよ、待遇に不満はないと思われる若手の主力でさえ、出ていきたいと思う球団になってしまった。これが現実です」(高橋氏)