エンゼルス大谷翔平は投手としてはまだ道半ば…「二刀流」に固執で再手術は不可避
「バッティングに関してもピッチングに関しても、やっぱり構えが大事。そこでしっくりきている部分が多いのが打席で、あまり良くないなというのがピッチングの方かなって印象。投げる前の準備段階、セットしている段階での動き始めのところで、あまり良くないかなと」
今年の球宴会見で、大谷翔平(29)はこう言っている。
「(投手との勝負は)打席に入る前の段階でついている」というのが大谷の持論。打てそうもなくてヒットになるより、打てそうな気がして凡打の方がいい。そういった意味で自身のバッティングは合格点でも、ピッチングはいまひとつということだ。
打撃は日本時間26日現在、44本塁打。ア・リーグ2位のロバート(ホワイトソックス)に10本差をつけていて、日本人選手初となる本塁打王のタイトルはほぼ確実。投手としては10勝5敗、防御率3.14、167奪三振。勝利数はリーグ8位、防御率は3位、奪三振は5位。昨年からサイ・ヤング賞候補にはなっているとはいえ、打者・大谷のように突き抜けた存在ではない。投手としてはまだ道半ばという自身の認識が、冒頭の発言につながったのだろう。
■誰よりも速い球を投げたい…が大谷の基本的な思考
大谷は二刀流に強いこだわりがある。いまから6年前、日本ハムからポスティングシステムでメジャー挑戦したときも、球団選びの最大の基準は米国でも投打の二刀流を貫ける環境かどうかだった。
昨年ベーブ・ルース以来、104年ぶりとなる2ケタ勝利、2ケタ本塁打を達成、メジャー史上初となる投打の規定もクリアした。メジャー初の本格的な二刀流として全米で認知された。
それでも本人は現状に満足しているわけではない。投手として未熟な部分を自覚、投打とも圧倒的な存在をめざそうというさなかに、しかし、右肘靱帯損傷が明らかになった。
大谷は5年前、右肘靱帯の損傷を修復する手術を受けた。トミー・ジョン手術だ。手術をしなくても、ある程度の速球は投げられるが、160キロ超の剛速球は靱帯を修復しない限りムリ。それならと手術に踏み切った経緯があるという。
誰よりも速い球を投げ、誰よりも打球を遠くに飛ばしたい──大谷の基本的な思考だ。