元スピードスケート大菅小百合さん 小平奈緒に日本記録を抜かれた時は「ああ、やっぱり」

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元スピードスケート&自転車競技選手 大菅小百合さん(43歳)

 スピードスケートと自転車で五輪に出場したのは橋本聖子参院議員が有名だが、大菅小百合さんは2000年代に2年おきに五輪出場を果たした。スケートと自転車の二刀流の瞬間を聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 2002年ソルトレークシティー冬季五輪に出場しました。あの時は勢いも自信もあったんです。五輪前のワールドカップでは日本記録で表彰台に上がれましたから。「五輪もこの延長線上でいける」と思っていました。でも、レースで大失敗してしまい、結果的には苦い経験に。五輪は雰囲気が他の世界大会と全く違いました。お客さんの人数があんなに多いのも初めてなら、選手も4年に1度のチャンスに懸ける思いが強くて。他の大会ではニコニコ話してくれる選手も厳しい雰囲気を出していました。

 いつもはスタート直前になると緊張しなくなり集中できるのに、スタートラインに立っても心臓の音が聞こえるくらいドキドキして。そんな緊張は初めてだから対処できず、普通の状態じゃなかったですね。

 あとで分析するとスタートの立ち位置がいつもよりズレていて、1歩目がズルッと滑ってしまって。その出だしのミスを最後まで引きずりました。「結局はメンタルが弱かったんだな」と実感した瞬間でした(女子500メートル、12位)。

 その2年後のアテネ夏季五輪に自転車競技で出場。自転車はスピードスケートのトレーニングでロードの長い距離を走りますから、入りやすいんです。ただトラック競技を始める選手は少ないですが、五輪で失敗した理由がメンタルの弱さでしたから、場数を踏むために始めました。

 もちろんスピードスケートのために「とにかく試合の緊張感をたくさん経験しよう」と考えました。元々下半身は強かったので、スケートから自転車への移行は大変ではなかったですね。

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