陸上 田中希実 5000m,1500mの二刀流挑戦…元陸連強化委員長が徹底解説する“勝算”

公開日: 更新日:

 1500メートルは東京五輪で8位入賞。5000メートルも昨年の世界選手権で8位に入った。今回は2種目同時入賞の期待がかかる。元陸連強化委員長の澤木啓祐氏は「トレーニングは不可能を可能にする。未知への挑戦は立派ですが」と前置きして、こう続ける。

「田中は五輪で勝負するために、1500メートルは3分55秒以内、5000メートルは14分20秒を切ることと言った。メダルを狙うための記録設定は間違ってはいません。ただし、ケニアやエチオピア勢はふるい落としのためにペースを激しく変化させる。800メートルと1500メートルも走っている田中は、ペースアップには対応できるとは思うが、1500メートルの3分55秒切りはかなり厳しい。しかも、1500メートルの予選は現地時間で5000メートル決勝の翌日。順調にいけば、そこから中1日で準決勝、決勝の3レースを走ることになる」

 澤木氏が続ける。

「1500メートルは有酸素性の能力以上に、スプリント競走になるラスト300メートルの無酸素運動が勝負を決める。一方の5000メートルも最後の1000メートルは無酸素運動になるが、4000メートルまでは有酸素性の高い能力が求められる。無酸素運動の割合が違う、つまりトレーニングが異質な2種目の入賞を狙うのは極めて目標値が高い。最近の田中の走りを見るとケニア合宿の成果か、有酸素性能力が高くなった。入賞以上の可能性なら、1500メートルの前に行われる5000メートルの方が高いと見ます」

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