大リーグ殿堂入りの基準は時代とともに変わる 背景には指標開発による分析の進化も
2024年12月にベテランズ委員会が選出したディック・アレン(元フィリーズ、ホワイトソックスなど)は、1970年代を代表する強打者の一人だった。
投手が優位の時代であったために大リーグ15年間の通算成績は1848安打、351本塁打、1119打点と傑出したものではなかったが、通算のOPS+は24年シーズンの終了時点で歴代25位だった。
アレンより上位の24人のうち、現役選手4人を除けば15人が殿堂入りしていただけに、選出も間近と考えられていた。今回の選出は現代の指標が過去の成績の価値を正当に評価した典型例ということになるだろう。
また、大リーグ機構によるニグロ・リーグの記録の整備事業の進展は、24年5月に大リーグの公式データベースに同リーグの数値が反映されたことで一つの区切りを迎えた。
現在、機構はニグロ・リーグの再評価を進めていることもあり、今後はデータベースを活用した同リーグの選手の殿堂での顕彰が活発になることが予想される。