「前方後円墳の暗号」関裕二著

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 前方後円墳をテーマに古墳時代を読み解いていく歴史読み物。

 前方後円墳は世界で最も面積の大きい墳墓。最大の大仙陵古墳(仁徳天皇陵、大阪・堺市)は、墳丘の長さが486メートル。現代工法で造営するなら延べ3万人近くの作業員と20億円の工費がかかるという。多くの文物を朝鮮半島から学んだ日本だが、かの地に巨大墳墓は存在しない。だが、日本では3世紀から7世紀にかけて前方後円墳だけでなく四隅突出型墳丘をはじめさまざまな古墳が20万墓以上も築かれた。

 なぜ巨大墳墓が造営され、造営に駆り出された民衆は反旗を翻さなかったのか。史料をひもとき、巨大古墳と治水事業との結びつき、古代人の信仰などを検証しながらその謎に迫る。(講談社 690円+税)

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