「今こそ『奨学金』の本当の話をしよう。」本山勝寛著

公開日: 更新日:

 極貧家庭で育った著者は、奨学金と授業料免除制度を利用して東大進学とハーバード教育大学院への留学を実現。その体験から、昨今の奨学金の負の面だけを強調する報道に強い懸念を抱くという。本書は、そうした危機感から、学生の約半数が利用している日本の奨学金制度の現状と社会問題化した背景を分析する。

 2016年度現在、延滞者は33.5万人。数字上は20年間で倍増したことになるが、その間に貸与者そのものが約3.5倍に増加しており、延滞者や延滞額の比率はむしろ減っていると指摘。導入予定の給付型奨学金などの課題などにも触れながら、奨学金を控除する奨学金減税の導入など、教育格差をなくすための方途を具体的に提言する。

(ポプラ社 800円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V奪還を手繰り寄せる“陰の仕事人” ファームで投手を「魔改造」、エース戸郷も菅野も心酔中

  2. 2

    ドジャース地区V逸なら大谷が“戦犯”扱いに…「50-50」達成の裏で気になるデータ

  3. 3

    大谷に懸念される「エポックメーキングの反動」…イチロー、カブレラもポストシーズンで苦しんだ

  4. 4

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  1. 6

    やす子の激走で「24時間テレビ」は“大成功”のはずが…若い視聴者からソッポで日テレ大慌て

  2. 7

    安藤サクラ「柄本佑が初めて交際した人」に驚きの声…“遊び人の父”奥田瑛二を持つ娘の苦悩

  3. 8

    堂本剛、松本潤、中山優馬…そして「HiHi Jets」髙橋優斗の退所でファンが迎えるジャニーズの終焉

  4. 9

    「光る君へ」一条天皇→「無能の鷹」ひ弱見え男子…塩野瑛久は柄本佑を超える“色っぽい男”になれる逸材

  5. 10

    虎の主砲・大山を巡り巨人阪神“場外乱闘”に突入か…メジャー挑戦濃厚な岡本の去就がカギを握る