「話しベタですが…」浅田次郎ほか著
北海道生まれの歌人・穂村弘は、本屋で目当ての本が見つからなかったとき、なんとなく自力に固執して、店員にきけないことがあったり、電車で席を譲ろうとしても「どうぞ」の一言が言えないこともあり、「他人に声をかける」ことにハードル感覚を覚えるという。ほかに、辛酸なめ子「タメ口コミュニケーション」、山口瞳「人前で話す」、村上春樹「無口なほうですか?」、浅田次郎「寡黙と饒舌」など古今の書き手32人の珠玉のエッセー集。
どれもが「話す」ということに何らかの関係があるエッセーで、「はじめまして、のハードル」「会話はキャッチボール…?」「喋るばかりが能じゃない」と3章に分けて収録されている。
(河出書房新社 1600円+税)