「総介護社会」小竹雅子著
介護保険のサービスが始まって18年。その間に高齢化は進み、制度の見直し・改正も何度か行われてきた。その介護保険の18年間を総括する社会保障テキスト。
かつては子供との同居率は7割と多数派だったが、2014年には4割まで低下。65歳以上の高齢者だけで暮らす世帯も半数を超えた。サービスが始まった2000年度に介護認定を受けた人は256万人だったが、15年度には620万人に増加している。一方で人口の7%にあたる699万人が介護をする側だという。こうした詳細なデータをあげながら、介護保険がはじまるとともに進む「介護問題の社会化」や介護現場で働く人たちの実態を紹介。介護保険の使い方の詳しい解説とともに、制度の問題点を指摘する。
(岩波書店 840円+税)