「つながっているのに孤独」シェリー・タークル著、渡会圭子訳

公開日: 更新日:

 コンピューターが登場し、人工知能(AI)が持ち得る知能についての議論が盛んにされていた頃から約30年が経過した今の時代、テクノロジーは私たちの生活に欠かせないものとなっている。しかしスマホ、SNS、VR、ロボットなど、生活を便利にするはずのテクノロジーは、いつしか人間の心に大きな影響を及ぼし始めた。本書は、臨床心理学者である著者が、人とテクノロジーの交流について実地研究したものを基にまとめたものだ。

 主に、人とコミュニケーションをしているかのように設計されたコンパニオンロボットとの関係と、常に外部に接続されているネットワーク社会での心の変化に関する2つの側面について考察している。物理的な距離よりも、使えるコミュニケーションツールによって人とのつながりを分断し得る社会では、体がそこにあっても心がそこにいないことが起こり得る。

 道具だったはずのテクノロジーに翻弄される人間の心について考えさせられる。

(ダイヤモンド社 2800円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  2. 2

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    竹内涼真“完全復活”の裏に元カノ吉谷彩子の幸せな新婚生活…「ブラックペアン2」でも存在感

  5. 5

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  1. 6

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7

    二宮和也&山田涼介「身長活かした演技」大好評…その一方で木村拓哉“サバ読み疑惑”再燃

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    小池都知事が3選早々まさかの「失職」危機…元側近・若狭勝弁護士が指摘する“刑事責任”とは

  5. 10

    岩永洋昭の「純烈」脱退は苛烈スケジュールにあり “不仲”ではないと言い切れる