「怪談のテープ起こし」三津田信三著

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 作家の「僕」が編集者時代、「ホラージャパネスク叢書」というシリーズものを手掛けたことがあった。その一冊として、自殺の名所について考察した書籍を企画したが、なかなか進まない。

 そんな中、ある作家からライターの吉柳が同じような企画を温めていると耳にする。会って話を聞くと、吉柳は「これから死のうという人間の肉声」をまとめて、一冊の本にするつもりだという。吉柳は、自殺者が死の間際に家族や社会に向けてメッセージを吹き込んだカセットテープを10年前から集めており、それを原稿に起こすつもりだという。数カ月後、僕の依頼に応じた吉柳から3人分のテープを起こしたサンプル原稿が送られてくる。(「死人のテープ起こし」)

 現実と創作が交錯する戦慄のホラー短編集。

 (集英社 670円+税)

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