「桎梏の雪」仲村燈著

公開日: 更新日:

 文化文政の頃、将棋の世界は大橋本家、大橋分家、伊藤家といった家元棋士がしのぎを削っていた。御城将棋の日、大橋分家の九世名人、大橋宗英は病のため大手門の前で意識朦朧となり、屋敷に引き返した。文化6(1809)年11月17日、宗英は鬼籍に入る。宗英には嫡子の七代宗与と養子の英俊がいるが、実力はもうひとつ。英俊の妹、お弦は英俊に劣らぬ棋才の持ち主だが、女ゆえ、表に出ることはなかった。

 一方、伊藤家の鬼宗は名人にふさわしい実力を持ちながら、大橋本家の先代当主、十代宗桂が大橋家の家格を主張して横やりを入れたため、名人位は空位となっていた。

 棋士たちの盤上の戦いを描く時代小説。

(講談社 1815円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    不倫報道の福原愛 緩さとモテぶりは現役時から評判だった

  2. 2

    ヒロド歩美アナ「報ステ」起用で波紋…テレ朝とABCテレビの間に吹き始めた“すきま風”

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    日本ハム水谷瞬プロ入り時のコーチが明かす覚醒のカギ「(当時)フライはまともに捕れず、バットにも…」

  5. 5

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  1. 6

    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

  2. 7

    夏休み到来! 我が子をテレビやゲーム、YouTube漬けにしない「割と簡単にできる方法」

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    ドジャースの“朗希タンパリング疑惑”で大迷惑!米29球団&日本プロ球団こぞって怒り心頭の納得理由

  5. 10

    「ブラタモリ」抜擢の桑子真帆アナ “金髪チャラ系”の大学時代