「猫まくら 眠り医者ぐっすり庵」泉ゆたか著

公開日: 更新日:

 茶問屋の一人娘・藍は、両親を相次いで亡くし、心細い日々を過ごしていた。2年前、蘭学を学びに長崎に行った兄の松次郎は、音信不通。頼りにしていた女中・久は、伯母の重によって千住宿の水茶屋に嫁に出されてしまった。

 そんなある日、飼い猫のねうの鳴き声に導かれ、茶畑の隅の作業小屋に足を踏みいれると、変わり果てた姿の松次郎が寝ていた。目覚めた松次郎に思いのたけを吐き出した藍は、その夜、ぐっすりと眠る。最近、満足に眠ることができなかったのだ。朝、気持ちよく目覚めた藍は、事情を知らぬ重から松次郎が長崎で何かやらかして、役人に追われているようだと教えられる。

 人の眠りを診る「ぐっすり庵」を開業する松次郎と助手を務める藍を主人公に描く時代小説。

(実業之日本社 770円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  2. 2

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  3. 3

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  4. 4

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  1. 6

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  2. 7

    永野芽郁“二股不倫”疑惑でCM動画削除が加速…聞こえてきたスポンサー関係者の冷静すぎる「本音」

  3. 8

    佐々木朗希が患う「インピンジメント症候群」とは? 専門家は手術の可能性にまで言及

  4. 9

    綾瀬はるかは棚ぼた? 永野芽郁“失脚”でCM美女たちのポスト女王争奪戦が勃発

  5. 10

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり