<107>書架に埃をかぶったフィルムケース
翌日の放課後、桃地は再び学生寮の成瀬を訪ねた。
成瀬は途方に暮れていた。
スーツケースの中の荷物が増えていない。
桃地は声をかけた。
「成瀬。ちょっと手伝ってほしいことがある」
成瀬を連れて教舎の一階の廊下を突き進む。教官、と背後から声がか…
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