「ルポ 自助2020―」石井光太著

公開日: 更新日:

 2020年3月、兵庫県伊丹市の介護老人保健施設「グリーンアルス伊丹」のデイケア利用者がコロナ陽性になった。感染症対策としてはワクチン接種や面会の制限などを実施していたが、数日後には関係者32人の感染が判明、4人が死亡する。新聞報道によってバッシングが起こり、デイケアも中止する。利用者の家族が自宅で介護せざるを得なくなり、心身共に追い込まれていく。だが、グリーンアルス伊丹に感謝のメール、FAXなどが届くようになり、職員たちの心を支えた。

 ほかに、両親の在宅勤務で子どもの虐待が起きるなど、コロナ禍で発生したトラブルを乗り越えた人たちの記録。

(筑摩書房 1650円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド