続・宇宙のカケラ物理学者の詩的人生案内」佐治晴夫著

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「続・宇宙のカケラ物理学者の詩的人生案内」佐治晴夫著

 紙の網で金魚がすくえなかった場合、「0匹すくった」と考えると、すくった回数とすくった金魚の数が対応して全体像がはっきりする。「0」とは「無」ではなく、「ない」という状態を示す数なのだ。これは、インドのミーマーンサー哲学の「無」の考えに似ている。

 たとえば「机の上に花がある」という命題の否定文は「机の上に花がない」ではなく、「机の上に“無の花”がある」とする。物事を「有」と「無」で分けるのではなく、「無」そのものも「実在」にするところがすごい。(「『0』の世界の豊かさ」)

 ほかに、芭蕉と蕪村の辞世の句から「永遠」を考えるなど、物理学者が思いがけない視点から「人生の謎」を解き明かす。

(毎日新聞出版 1760円)

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