「昭和歌謡ものがたり」松井信幸著
「昭和歌謡ものがたり」松井信幸著
根強い人気を誇る昭和歌謡のなかから時代を代表するヒット曲を取り上げ、その制作秘話や歌手、制作スタッフにまつわるエピソードを紹介する。
昭和32年の「有楽町で逢いましょう」は、同年開業の百貨店「有楽町そごう」のキャンペーンソングとして作られた。当時の有楽町に残っていた戦後の闇市の暗く汚いイメージを払拭する狙いがあったという。
当時、作曲界は古賀政男と服部良一という2大巨頭が君臨。「都会派歌謡」という新たなジャンルを構築しようと作曲家の吉田正が一晩で書き上げ、ナイトクラブのジャズ歌手だった無名のフランク永井を抜擢してヒットした。
昭和30年代初めのこの曲から、昭和61年の「時の流れに身をまかせ」(歌テレサ・テン)まで、58曲の物語を紹介。
(アルソス 1540円)