(21)風に春の訪れを知らせる香り
お千代の件では、まだうまく飲み込めぬこともある。だがあの子にとって、源斎は恩人なのだろう。
「そんなのは、女の勝手だわ」
「ああ、そうだろうな。でも俺はもともと女たちを救いたくて、中條流の医者になったんだ。美登里のおっ母さんを助けられなかった夜に、決めたんだよ」
…
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