(3)梅花はその名の通り春の香
父の香四郎から仙薫堂を畳むと聞かされて二日が過ぎた。おみつは父の世話をしながら、昼は店番をするという、いつも通りの暮らしを送っている。だが、内心は落ち着かず、地に足がつかないような心もとなさをずっと抱えていた。
父は畳むと言ったけれど、おみつ自身は仙薫堂を守りたい。望み…
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