「この世の花」佐々木裕一著

公開日: 更新日:

「この世の花」佐々木裕一著

 真島家の四女・花は、正月を迎え14歳になった。父の兼続は、徳川譜代の名門で、広大な敷地内には兼続と正妻の藤らが暮らす屋敷のほかに、花が兼続の妾(めかけ)である母のふきと暮らす小屋などが並ぶ。

 兼続は、4人いる妻や妾の中で誰よりもふきを寵愛。それが気に入らない藤は、なにかとふき母娘を目の敵にする。一方で花は、世継ぎである兄の一成とその親友の信義から可愛がられている。信義は9000石の旗本家の長男で、藤らは自分の娘を嫁がせようと虎視眈々と狙っている。

 兼続は、信義に花を嫁がせたい。兼続が一成にその胸の内を明かした内輪話が藤の耳に入ってしまった。そんな中、兼続が大坂城番を命じられ、屋敷を留守にすることに。

 虐げられながらも、一途に生きる花を主人公にした時代小説。

(角川春樹事務所 748円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中日・井上新監督が抱える「中田翔」というジレンマ…復活に期待も世代交代の障害になりかねない

  2. 2

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  3. 3

    佐々木麟太郎の注目度・待遇はメジャー級 “大谷の母校の監督の息子”で試合運営側が忖度も?

  4. 4

    百田尚樹代表《終わったら全部言う!》宣言 日本保守党3議席獲得で飯山陽氏との“暗闘”どうなる?

  5. 5

    自民・小泉進次郎氏は「選対委員長辞任」でさっさとトンズラ…選挙期間中の“食レポ”にも批判が殺到

  1. 6

    国民民主の躍進予想に水差す醜聞…千葉5区出馬の新人・岡野純子候補に「政治とカネ」疑惑

  2. 7

    年収5000万円もありながら“2つの病”に勝てなかったジャンポケ斉藤慎二の転落

  3. 8

    伊藤美誠がパリ五輪シングルス代表絶望で号泣…中国も恐れた「大魔王」はなぜ転落したのか

  4. 9

    共産党は“裏金スクープ連発”で自民惨敗させるも議席減…強まる《政党名変えたら?》に党の見解は

  5. 10

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」