歌手はいだしょうこを育てた大作曲家・中田喜直の金言
私の父はピアニスト、母は声楽家。1歳年上の姉も大の音楽好きで、幼い頃から、家の中にはいつも自然と音楽が流れていました。
そして、ひとりでは何もできない私を、両親が「自信をもって表現できるのは歌だ」と気づいてくれて、全国童謡歌唱コンクールに応募してくれました。
コンクール終了後、先生に「僕が作曲した歌を歌ってくれないかな」とおっしゃっていただき、先生のコンサートのステージに立つことになりました。それが小学5年生のときです。
■怒鳴ることなく諭すように指導
コンサートは、先生のピアノ伴奏でソロで歌い、都内だけではなく全国各地へ泊まりがけで行くこともありました。もちろん母も一緒でしたから不安はなく、毎回楽しく歌えました。
とはいえ、時々うまくいかなかったこともあります。そんな時でも、先生は怒鳴ることがなかった。一段落してから、やさしく諭すように失敗したところを指摘して、丁寧に指導してくださいました。
そのおかげで、萎縮することなく、次のステージで伸び伸びと歌うことができ、そして、先生の姿を見て、プロとして、ステージに立つことがどれだけ大変なのかを子供ながらに学んでいけたように思います。