松本ハウス加賀谷さん 講演に引っ張りだこも年収「激変」
「ビックリするくらい、減りました。牛丼特盛りから、お新香一つくらいの激変です。ハハハ。でも面白いことをやるのが好きなんです。お笑いに携われるだけ幸せです」
復帰直前は「上から加賀谷、たけしさん、タモリさん、さんまさん、というくらい勢いがある」と妄想していた、と振り返る加賀谷さん。「だからステージに戻れば何とかなると思ってた」が、現実は厳しかった。
統合失調症の影響で記憶力が著しく悪くなり、ネタを覚えられない。感情表現がおぼつかず、漫才に気持ちを乗せられない。漫才師らしいことが何ひとつできなくなり、悩んだ時期もあった。
「過去のボクならできたのに……と悔しくて自己否定の嵐です。芸人を辞めたいと何度思ったことか」
転機は復帰から3年後の12年。舞台上でセリフが口から出なくなり、混乱した末、「あれ? 今何の話でしたっけ?」とつぶやいたらお客さんに大ウケ。「これ、アリなんだ」と気づいた。
「今のボクのお笑いはナマクラ刀というか、鈍った切れ味が逆に持ち味になって、笑いの幅が広がりました。今だからこそ、できるお笑いもあるんだと思います」