アルフィー高見沢俊彦 処女小説の気になる中身と執筆秘話

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 たしかに説明描写ひとつとっても、〈リズミックな貧乏ゆすり〉〈チャペルの鐘の音が学園闘争への鎮魂歌のように〉などとミュージシャンならではの表現が並ぶ。大学1年の主人公がひそかに恋心を抱く年上女性の登場シーンは、♪せつない片想い あなたは気づかない~と、キョンキョンの「木枯しに抱かれて」が聞こえてくるよう。同曲の作詞・作曲を手がけた音楽家らしい甘酸っぱい描写で、読む者の心を引きつけるのだ。

 ちなみに孤高の美意識も健在で、「打ち合わせ時は毎回ドレスアップして来社いただきました」(前出の担当者)。

 今後は同誌で3回の不定期連載を経て、来夏の書籍化を目指すという。アルフィー結成45周年のメモリアルイヤーにもうひとつ、文学賞受賞の祝い事が加わるか。

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