若者の夢につけ入り商売…ブラック化するTVと芸能界の末路

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 そうしたヤラセや過剰演出に嫌気が差した人たちがますますテレビから離れるのは自然のことだろう。見るのはニュースやスポーツも含めたノンフィクションくらい。だがそこにも芸能的要素、つまり、ヤラセや演出も入っているのが実際だ。

 かようにテレビが衰退すれば、それに付随して芸能界も同じ道をたどる。バラエティータレントが食えなくなっていることはすでに書いたが、それはつまり芸能プロダクションも稼ぎがなくなるということだ。それで他のビジネスに手を広げていくという流れになっている。

 それらの中で、あこぎなのがタレント養成所だろう。芸能界を夢見る素人から高額な授業料を取って運営している。晴れてタレントになったところで食べていけないという現実は隠している。ごく一部の売れっ子タレントを広告塔にして、頑張れば彼らのようになれますよとやる。若い夢につけ入って商売にしているのだ。テレビも芸能界もブラック化するばかりだ。 (おわり)

▽テレビ業界歴四半世紀、民放各局を股にかけて活躍中の現役放送作家。

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