山口紗弥加ちゃんのひと言が胸にしみたある日の帰り道
先週放送された「モトカレマニア」にて、共演中の関口メンディーさんと森田甘路さんと一緒に久々に副音声を担当いたしました。そして、勝手知ったる湾岸スタジオ内編集室の録音ブースで、ともすれば撮影現場以上の「ホーム感」を味わってしまいました(笑い)、元「副音声の主」こと小手伸也です。
副音声の収録自体は非常に楽しくやらせていただいたんですが、実は正直、最近の撮影現場ではひとりになっていたことが多く、それは何といいますか……若い皆さん(レギュラー陣の中で僕が最年長)に交じって、何事もなかったかのようにワイワイ現場を楽しんでいいのだろうか、という引け目(今にして思えば迷惑極まりない自粛精神)があってのことだったんです。ですが、そんな僕に対し、無邪気に近寄ってきては遠慮なくイジリ言葉をぶつけてくるのが、同じく共演中の山口紗弥加ちゃんでした。
彼女との出会いは2003年の舞台「オイル」(作・演出:野田秀樹)でして、お互い初めての野田さんの演出に四苦八苦しながらも全力で舞台を楽しんでいました(その頃からすでにイジられてましたが!)。そんな彼女と今作で再会できることがうれしくもあり、あの頃以上にすてきな女優さんになられた彼女との対面に若干の緊張もあったんですが、10年ぶり以上のそこそこ感動的な再会にもかかわらず絶妙なニヤケ顔で「よっ、シンデレラおじさん」と肩を叩いてきた彼女。その瞬間から生まれた現場の軽やかな空気で、今回の僕の立ち位置は決まったも同然でした。そして僕は、是が非でもその立ち位置を守り抜くべきでした。