「九ちゃん死亡」同日の紙面に自身の婚約記事 悲しい偶然
レオナルド熊の度重なる裏切り行為に、三郎は堪忍袋の緒が切れた。
「会ってぶん殴る気でいたけど、土下座して、『三郎さん、コンビを続けて下さい』って頼むんだ。いつもサブって呼んでるのに、何が三郎さんだっていうの。そのみじめな姿を見て、コンビを解消する決心がついたね」
熊との決別の前年、三郎は生涯の伴侶となる女性と出会った。
「深川で電器屋やってる知り合いの親父が、『サブちゃんのファンだっていう女将の店に行こう』と誘ってきた。当時は熊のほうが人気があったから、俺のファンなんて珍しいな、と思って行った。それが門前仲町の料理屋<花菱>の女将で、今のかみさんです。翌日、京都で仕事があると言ったら、七味唐辛子を買ってきてと頼むんだ。ずうずうしい女だなと思ったけど、きっぷのいいのが気に入って、帰京した日に七味を持って店に行きました。それがきっかけでカラオケに行ったり、急速に親しくなって、ひと月でデキちゃった。その頃、小豆島から出てきた父親と同居してて、『俺の目の黒いうちに身を固めてくれ』と言われたこともあって、ふた月目には結婚を決めた」