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ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで」(光文社新書)などがある。

ニューヨークは「底意地の悪い笑い」でブレークした実力派

公開日: 更新日:

 そこで自信をつけたことが幸いしたのか、2019年の「M―1グランプリ」では初めて決勝に進み、ようやくテレビで売れるチャンスをつかんだ。成績は最下位だったものの、審査員の松本人志とのやりとりが評価されて、2020年には数多くのバラエティー番組に出演した。

 お笑いコンテストでも好調が続き、「キングオブコント」では準優勝、「M―1」では2年連続の決勝進出を果たした。ようやく世間が彼らの才能に気付き始めた。

 昨年末の「M―1」で彼らが披露したネタは、ボケ担当の嶋佐和也が「面白い話がある」と言って、犯罪行為が含まれる話を平気でしてしまうというもの。ツッコミ担当の屋敷裕政はそれを指摘して「このご時世ナメんなよ」と叫ぶ。テレビで言ってはいけないことが増えてきたコンプライアンス過剰の風潮を見事に皮肉るようなネタであり、ニューヨークらしさが出ていた。

 昨今は「優しい笑い」が求められる時代と言われているが、ニューヨークにはこれからも「底意地の悪い笑い」を期待したい。

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