沢田研二 事務所閉鎖&主演映画公開延期でも貫く「美学」
3年前のドタキャンについても、加藤氏はこう言った。
「バンドマンとして、ジュリーがかねてこだわっていたことに、スカスカはやめてくれ、というのもあります。会場の大小にはこだわらず、1000人規模のお客でもほぼ埋まっていればやってきた。ところがドタキャン騒動のときは、客席が幕で覆われ、スカスカだったのです。大きなハコ(会場)でやるならば、それなりの集客をがんばってほしい、自分もステージでがんばるから、できないならば(場所を)変えてくれと言っていたにもかかわらず、当日になってできませんでしたというイベンターに怒って、やらなかったのです。ジュリーはライブにスポンサーをつけません。やりたいことをやりたいようにやるためで、タイガースの2013年の再結成ライブも冠なし。ドタキャンのときもほぼ自主興行で、負債をかぶったでしょうに、それでも主義主張を曲げなかった。当時も今回も、ファンはそんなジュリーのことをよく分かっています」
HPには、ファンに向けて「今暫くは新型コロナウイルスと共に生きるしかありません」「臆病で大丈夫。自分の命を護って下さい」「生き抜いてください」といったメッセージがあり、「老虎(老後)の愉しみLIVE!!」と結ばれている。
「コロナ禍の終息の暁にはまたステージに立つ。80歳になっても、90でもツアーをやってやるという宣言にみえます」と加藤氏。世間には理解されにくくても、その行動にはジュリー流の美学、ダンディズムがあるようだ。