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本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

オズワルドはM-1に優勝できなかったことがさらなる実力をつけてくれる

公開日: 更新日:

 3年連続「M-1」決勝進出。昨年はファーストラウンド1位通過で、最終決戦では錦鯉に優勝をさらわれましたが、堂々の準優勝。関西の劇場で標準語(関東弁?)の漫才というかなりのハンディをものともせず、「第42回ABCお笑いグランプリ」(2021年)では関東のコンビとして初優勝。今や押しも押されもせぬ実力派です。

「M-1」本番2日前、1本目のネタを見る機会があり、「あれでいこうと思いますがどうでしょうか?」と聞かれました。「大丈夫、1位通過、もう1本が同じレベルやったら優勝」と伝えました。

 あるシチュエーションに入るいわゆる“漫才コント”ではなく、普通の会話から畠中君の異次元の価値観に引き込み、伊藤君の鋭いツッコミで自在に虚実を操るオズワルド。NSC東京時代は畠中君と伊藤君はコンビではなく、生徒としても特に印象に残っていることもありませんでした。それが「オズワルド」を結成してからメキメキ頭角を現していきました。

 いつも「コンビは縁のもの」と言っていますが、相方が変わるだけで激変する相性の良さは「縁」以外に考えられません。古くは「やす・きよ漫才」の横山やすし・西川きよし。やすし師匠は天才漫才師と呼ばれながらも、3人目の相方・きよし師匠とコンビを組むまでは鳴かず飛ばず。それが「やす・きよ」になるやいなや飛ぶ鳥を落とす勢いでスターの階段を駆け上られました。オズワルドも、2人がかみ合うことで個性が生かされ相乗効果を生んで何倍にも大きくなったのだと思います。

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