思いやりの気持ちはどこへ? 障害者団体のデモを批判する韓国最大野党の代表
今から10年以上も前のこと。日本に遊びに来ていた韓国人の友人が、都心の駅のホームで障害者の移動を手伝う駅員を見て「日本の駅は本当に障害者に優しい」と感心していた。友人は「韓国では依然として差別意識があり、障害者に冷たい」と言う。確かに韓国映画「オアシス」(2002年)でも障害者は孤独で、飲食店から入店を拒まれたり、親族から嫌な顔をされたり。それでも儒教的な倫理観から差別は許されない。08年に障害者差別禁止法が施行されている。
8日に日本で公開された韓国映画「連鎖」では知的障害者の青年が予期せぬ出来事に巻き込まれていく。心優しく信仰心もあるが、8歳ほどの知能しかない。ある偶然から卑劣な性犯罪者にされてしまい、彼を慕っていたはずの友人らからも拒絶され、村八分になってしまう。教会に通う信仰深い人たちでさえ、知的障害者の彼を軽蔑し、「性犯罪者に厳罰を」と口にする。そこに救いなどない。
韓国では昨年から障害者団体が朝の通勤時間帯にソウルの地下鉄で車内デモを行い、電車が遅延する騒ぎとなっている。韓国の地下鉄にはいまだエレベーターが設置されていない駅がある。特に古い駅ほどバリアフリー化が進んでおらず、障害者団体が何年も前から改善を求めていた。