森口博子に学ぶ「芸能界サバイバル術」 今月で54歳、29年ぶりオリコントップ10の凄み
「福岡に帰されそうになったとき、『なんでもやります』としがみついて、バラエティー番組でがむしゃらになった。ターザンさながらの衣装で雄ロバを口説く仕事から、これしかないと頑張り、工藤静香のモノマネでブレークし、レギュラー12本の売れっ子バラドルへと変貌していったんです。それこそ寝る暇もない忙しさでも、来た仕事は断らない主義を貫いた。多くの記者に囲まれ、どんな質問にも笑顔を絶やさず、きちんと最後まで答えていた姿が印象的でした」と、20代当時の森口の印象を元記者は振り返った。
アイドル歌手の夢はかなわず、デビューしたのはアニメの主題歌。それでも歌手としてポジションを確立できず、芸能界で得られたのはテレビのバラエティーで、バラドルというイロモノ的な存在だった。
「置かれた場所で咲きなさい」じゃないが、悩みつつもそれらを受け入れ、「損得勘定で仕事は選ばない」といった、独自の哲学をつかんでいく。それで年間約100本もの営業をこなし、昨今は舞台やミュージカルで仕事の幅を広げ、ジャズライブのステージに立ったりもしている。
「同郷で中学の先輩でもあるタモリに芸能界で長く続けていく秘訣を聞いたりしてますね。そこで『反省しないこと』とアドバイスされ、今の自分にできるベストを尽くすという考えを確立した。年齢を重ねることも、できないことが増えてきたと弱気にならず、若い頃のやり方が正解とは限らないと、より丁寧に仕事と向き合う力がついたと考える。何歳になっても、未来の自分から見れば、一番若いのだから失うものなんかないと、とにかく前向きなんです」(芸能関係者)