志村のけんちゃんとのコントはカメラを止めることがNGなんです
けんちゃんとのコントは、台本もなければリハもない。ダ~ッとこんな感じで行くからって言われて、あとはほとんどがアドリブ。
だから大変だったのはスタッフさんたち。現場にあるすべてのカメラを回しているんです。撮りこぼしがあったらマズいでしょ。現場はけんちゃんがディレクターみたいなもんだから、スタッフが勝手にカメラを止めたりしたら、すごく怒られる。セリフが出てこなくても、止めたらいけないんです。困ったときのその間が面白いのね。そこでアドリブになるわけです。アドリブの応酬になるとウケるの。
いまはコロナの影響もあって最小限の人数しか入れませんけど、あの頃のスタジオにはいろいろな人たちが大勢いましたから、大きな笑い声が聞こえるわけですよ。どこのだれだかわからない、札束の詰まったセカンドバッグを持っているような人とかね(笑)。
■「いったい何しているんだろ」
するとこっちも乗ってくるわけですよ。もともと台本がないわけですから、正解がない。ということはNGもないってことになるんです。NGだと思ってカメラを止めることがNGなんです。