「不適切にもほどがある!」でコンプラ無視炸裂! そして「昭和歌謡」はスゴかった(前編)
昭和の熱血教師が現代にタイムスリップし、コンプラ無視の発言を繰り返す。話題のTBS系連ドラ「不適切にもほどがある!」で、「セーラー服を脱がさないで」など、昭和のヒット曲をカラオケで歌った令和の登場人物たちはこう驚き呆れていた。
「歌詞がコンプラ的にアウトな曲ばっかり」
と。なるほど、教師役の阿部サダヲが歌った沢田研二「カサブランカ・ダンディ」は、
♪ききわけのない女の頬を~一つ二つはりたおして~
DV炸裂で今なら即アウトである。振り返ればダウン・タウン・ブギウギ・バンドの「スモーキン・ブギ」は未成年がいたるところで喫煙する歌だし、サザン初期の「女呼んでブギ」で桑田佳祐は、
♪女呼んで揉んで抱いていい気持ち~
と韻を踏んだ。尾崎豊の名曲「15の夜」は、
♪盗んだバイクで走り出す~
がサビって、おい! 百恵や明菜の曲に出てくる「ジプシー」という言葉は放送上不適切だとしてラジオでもかけにくくなっているのが現状だ。
前述のドラマで山本耕史が歌った島津ゆたか「ホテル」も、モラハラ男と不倫する女性の物語。女性はストーカーと化し、男の家庭をこっそりのぞきに行って嫉妬に狂う。今なら何重にもアウトだ。
「カサブランカ──」の作詞は阿久悠。「ホテル」はなかにし礼。昭和を代表する2大作詞家であり、2人は他にも、コンプラ度外視の歌詞を山ほど書いている。
阿久がピンク・レディーに書いた「ペッパー警部」の冒頭はこうだ。
♪ペッパー警部~邪魔をしないで~ペッパー警部~私たちこれからいいところ~
これをミーとケイがミニスカ衣装で生足をパカパカ開いて歌い、それを見た全国の子どもがフリつきで覚えたものだ。
だがこの曲、警察官から声を掛けられるぐらいだから、この男女はもしかすると、公然わいせつに当たる行為をしていたのかも。そもそも、ペッパー警部は何の捜査をしていたのだろう? もしかして、捜査と称したのぞき行為をしていたのでは? それなら職権乱用で、不適切にもほどがある。