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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

どの役を演じても滑稽さがにじみ出る 岡部たかしの「おもろい」人生

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 劇団を3年でやめ、芸人で俳優の九十九一に出会ったことが大きな転機となった。東洋館に出るようになったのも、九十九の勧めだった。さらに、九十九との縁で村松利史や岩谷健司と出会い、「狂ったように『おもしろさ』について考える日々がはじまった」(文芸春秋「週刊文春」24年4月11日号)という。村松は「本当におもしろいことは自分の中からしか出てこない」という考え方で、役になりきるよりも、あくまでも「自分のノリ」で演じることが大切だと教えられた(同前)。

「人間は誰しも複雑だけど、どこか滑稽やから。どの役を演じても面白いと思われたい」(TBS系「情熱大陸」24年4月28日)と岡部は言う。その複雑さや滑稽さは、演じる人間からにじみ出るものだ。だから彼は何か判断に迷ったときは「おもろいか、おもろないか」で決めるという。

 離婚した妻の元で育った息子・岡部ひろきは、父の舞台を見て「親父って、こんな面白いことをやってるんや」と感銘を受け、役者の道を志した。その相談を受けた際、岡部は「おもろかったら、ええんちゃう」と即答した(光文社「女性自身」24年4月23日号)。そして息子は現在、父も出演したNHKの朝ドラ「虎に翼」に出演している。実に「おもろい」人生だ。

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