柳葉敏郎「室井慎次 敗れざる者」が「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」を制した理由
一方の「室井慎次」は“踊るレジェンド”と命名されたキャラクターシリーズで、室井慎次としては2度目。今回は「敗れざる者」「生き続ける者」の2本立てである。
「『踊る大捜査線』は、水戸黄門や大岡越前と同じ、完全なるキャラクター作品なのでスピンオフが大正解。何年経っても観客は“またあのキャラに会いたい”という気持ちで映画館に来る。『ジョーカー2』とはコンセプトが全く違うのです。『ハリー・ポッター』も2作同時製作で、製作効率を上げ、ファンは2回お布施(来場)して収益をアップさせる方式を取っている。それができるのも人気作ならでは。さらに配信で過去作品の掘り起こしもでき、有料配信との相乗効果も見込める。マーケティングを得意とする東宝が配給ですから、室井シリーズの1位獲得も想定内なのでは。もしもヒットしなくなる日が来るとすればキャラが飽きられた時か、登場人物が年を取りすぎて無理が出てくる時。その可能性はまだまだなさそうですし、当分安泰でしょう」(前田氏)
室井慎次の後編では、織田裕二の青島刑事の登場におわせも。邦画作品の緻密なマーケティングは洋画を制する好例になりそうだ。