フジテレビ系の冬ドラマ「警察もの」2本はありえないお話しすぎてズッコケの連続
フジテレビはなぜ奇をてらう?
もっとありえねえ~のが「秘密~THE TOP SECRET~」(月曜夜10時)だ。
遺体の脳をMRIにかけて、生前に見ていた光景を再現する技術を持つ科学警察研究所の研究員(板垣李光人)が、その映像から犯人を割り出す。もちろんそんなことは科学的に不可能。
第1話で被害者の愛犬の脳をスキャンして、「犯人がわかった!」なんて、もうズッコケである。
昨年の秋ドラマ「嘘解きレトリック」は、人のウソを見抜く、やはり特殊能力を持つ探偵助手が主人公だった。フジテレビはなぜ奇をてらった刑事・探偵のドラマを作りたがるのか。
「ネタ切れと予算カットのためですよ。かつては古畑任三郎や西村京太郎シリーズのような傑作があったのですが、リアルで複雑な謎解きの正統派ドラマを制作しようとすると、ロケも多くなるし、脚本の下調べも入念にやらなくてはならない。手間もカネもかかります。でも、主人公を“特殊能力”にすれば、ストーリーのつじつまが合わなくても、最後は“マジック”で強引に結末にもっていけます。短時間で安く作れるんです」(ベテラン放送作家)
とくにバラエティー畑出身の港浩一社長になってから、ドラマの本数は増えたが、月曜9時の「月9」以外は軽視されてきたという。その港社長は引責辞任したが、フジのドラマ再生の道は険しい。
(コラムニスト・海原かみな)