女優・大空眞弓さん(75) 乳がん・多臓器がん
乳房切除後はすぐに腕がスッと上がり、舞台稽古もいつも通り。特に病後だからと気にすることも一切ありません。乳房を切除したことも言わずに現場に戻りました。
子供の頃は入退院を繰り返し、学校の体育の授業もまともに受けられないくらい病弱でした。そのおかげで、病院も注射も大好き。病院では医師の指示に従ういい患者ですよ。私の腕は血管が見えにくくて、点滴針を入れるのが難しいんです。けれど、「はいどうぞ」って差し出せば、最初は失敗しても、みなさん次第にうまくなりますよ。先生方だって人間ですから。信頼していれば、お医者さんも診やすいし、助けようと思って下さいます。
私は何かあったら夜中でもすぐ病院に行くタイプ。市販のお薬は相性が悪い場合も多いので、主治医にすぐ相談します。人間ドックは半年に1回。受診したら次の予約を入れてきます。
■がんもほかの病気と同じ。その都度治療するだけ
そうやって左乳房摘出後も定期健診を受け、61歳と62歳で胃がん、63歳で食道がんが見つかりました。食道がんの時は3カ月で5回切除しました。すべて内視鏡による切除で、手術自体はほんの2~3時間。麻酔が覚めたらその日のうちに帰宅して、翌日も普通に仕事です。切除後のお薬は一切なし。予後の心配をせず、仕事に打ち込めるのは何よりです。