医師・精神科医 宮島賢也さん(42)うつ病

公開日: 更新日:

 精神科医になった今は、患者さんには「うまく」「しっかり」「ちゃんと」に固執しないよう提案していますが、その時の自分がまさにそうでした。子供の頃から親の期待に応えてきて、初めて敗北感を味わいました。休養期間を経て、研修先も変わり、肉体的には楽になったのに意欲が出ず、精神科を受診したらうつ病との診断が……。

■根本的な解決を先延ばしにしているのが医療

 ただ、正直ホッとしました。同期と同じコースから戦線離脱したことに“言い訳”が必要だったんだと思います。それからは抗うつ薬を飲みながら、勤務を続けました。薬は、一時的には症状を麻痺させても根本解決ではなく、主治医には「薬は一生飲み続けたらいい」と教えられました。

 でも、ある自己啓発の本に、「医者は“対症療法”の専門家ではあっても“健康”の専門家ではない」と書かれていたんです。結局、医療とは、体が無理しているサインを出しているのに薬で症状を抑えて、根本的な解決を先延ばしにしているものだ、と気づきました。

 その本と出合ったことを機に、33歳で「食」「生活」「思考」を変えました。菜食にして、付き合いも減らしました。若手は呼ばれた飲み会に参加するのがマストだと教えられていましたが、たまには欠席して心の余裕をつくった。そして、薬もやめてみました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  2. 2

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 3

    「終わらない兵庫県知事選」の行方…新たな公選法違反疑惑浮上で捜査機関が動く“Xデー”は

  4. 4

    楽天・田中将大は今や球団の「厄介者」…大幅負け越し&パワハラ関与疑惑に年俸2億円超ダウン

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    斎藤元彦知事が百条委トンズラで大誤算!公選法違反疑惑に“逃げの答弁”連発も「事前収賄罪」の可能性

  2. 7

    楽天・田中将大に囁かれていた「移籍説」…実力も素行も問題視されるレジェンドの哀れ

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    エースの留年が影響か?昨夏王者・慶応まさかの県大会16強敗退…文武両道に特別扱い一切なし

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇