作家・なかにし礼さん救った執刀医のひらめきと“神の一手”
都合、5回の抗がん剤治療と12回の陽子線治療でがんは消えました。
■慌てず、うろたえず、シンプルに
がんは根性で勝てるものではないと思います。がんがつらいんじゃなくて、私のうつ症状のように“抗がん剤がつらい”ってこともあります。そういうつらい時こそ、薬の出番。何が問題か、根本の見極めが必要です。
切るしか選択肢はないのか、この病院でいいのか。手術は成功したといいつつ、術後に死ぬこともあります。名医であっても、自分の病状と相性がいいかどうかはわかりません。慌てず、うろたえず、シンプルに「自分が生きるためにすることは何か」を突き詰めて考えるべきです。
もちろん、病気を治してくださるのはお医者さまたちです。最初にがんを見つけてくれた医師、実際に治療してくれた医師、皆さんが連携してくれたおかげで今がありますから。
今は2週に1回、気晴らしに銀座のクラブに行く程度。ほかに趣味がありませんからねえ。銀座で仲間たちと会ってするおしゃべりが最高の息抜きです。