9割が未発見 知らないうちに忍び寄る「緑内障」の恐怖
眼圧が正常範囲で、視野検査の結果がある程度安定していれば、視野検査は1年に1回程度でいい。しかし、眼圧が高い、あるいは視野検査の結果の変動が激しいようであれば問題だ。
「視野検査の経過観察で、緑内障の治療の適切なタイミングや、治療が功を奏しているかを判断できます。治療を受けているのに視野検査で黒い部分が増えていれば、治療が不十分です」
視野は加齢でも狭まる。視野検査は、年齢による正常値からも見ることができるので、年齢に比してその数値が異常なのかどうかをチェックできる。
⑤緑内障を多く診ている眼科医の検査が必要
健康診断や人間ドックで緑内障の検査を毎年受けているなら別だが、そうでなければ、緑内障を多く診ている眼科医の検査を受けた方がいい。
特に40代以上は必須。結膜炎などで眼科を受診しても、緑内障の検査が行われるとは限らず、見逃されているケースも。
「例えば、強度近視があると視野検査に異常が出やすい。強度近視による視野異常か、緑内障による視野異常か、判断が困難なこともあります」
鈴木教授は、「緑内障の治療を受けている」という患者を診た際に、「実は緑内障ではなかった」とのケースも何度か経験している。
患者数が多いと、時に「みんながかかっているから」と甘く見てしまうこともある。しかし、それが思わぬ結果を招くかもしれないのだ。