放置でさまざまな不都合が…「顎変形症」はこうして治す
「成長の過程で出現する顎変形症の場合、骨の成長がストップする10代後半ごろから診断され、手術が行われます。小さい時に多少噛み合わせがおかしいからといって、全員が治療の対象になるものではありません」
また、年齢はいくつになっても治療が手遅れになることはない。ある患者は幼少時からひどい受け口が悩みだった。60代で思い切って手術を受け、悪かった発音が非常に良くなった。「娘も顎変形症で、今度連れてくるので治療をお願いしたい」と言うほど喜んでいたという。
ただし、顎変形症で手術を受ける場合は、「見た目」だけにこだわった治療ではなく、「口腔機能を良くする」ことを目的にしている医師のもとで受けるべきだ。
「治療は基本的に、歯列矯正を行い、その上で手術になります。普通は年単位で時間を要する治療法であり、そのことを十分に説明しない医師も避けたほうがいいかもしれません」
施設によるが、顎変形症の治療には保険が適用される。
▽顎変形症と顎関節症
「まったく違う病気です。顎関節症は、顎関節の雑音、疼痛、開口障害を来す疾患ですが、顎変形症のように顔の土台をつくる『骨全体』に変形が生じる疾患ではありません。治療法も異なります」(高野医師)