本当に怖いのか?<1> 人生100歳時代では避けては通れず
しかし、インプラントはきちんとした診査・診断を行い、状態に合った手術を計画通りに行えば、天然の歯に近い機能を回復することも可能だ。
「歯科インプラントの施術後に起きる主なトラブルは痛み、腫れ、埋入箇所の違和感、出血やしびれなど。特に骨の残存量の少ないところに無理してインプラントを入れようとすると、下顎は神経を傷つけるリスクがあり、上顎は人工骨による上顎洞炎のリスクがあります。今までのインプラント治療は顎の骨のどこを削ってインプラントを立てるか決めるため、歯肉を切って、骨を目視しながら行う手術が主流でした。最近はサージカルガイドを用いた手術も行われるようになり、より安全な手術になっています」
サージカルガイドとはインプラントを顎の骨に埋入する際、ドリルの着地点と角度を正確な方向に導き、ドリルがぶれないように保持する医療器具だ。
これを作るため、事前に患者の顎の石膏模型を作り、CT撮影する。そのデータをインプラント専用の高精度解析ソフトで解析して、熟練した専門の歯科医師が一人一人の患者に最適なインプラント手術計画を決定し、サージカルガイドを作る。
すべての患者さんにサージカルガイドが導入できるわけではない。
しかし、適応できる患者さんに使用すれば、経験の少ない歯科医師でも安全にインプラント治療が行えるようになっているのだ。