足立区vs港区 家族構成の違いも平均寿命に影響する
ただし65歳以上に限れば、足立区の単身者のほうが人口に占める割合が高くなっています(5・3%対4・9%)。港区には単身赴任が多いのでしょう。転勤になれば他所に移ってしまうし、定年まで住み続けた人も退職と同時に家族のもとに戻っていきます。独身者でも、ある程度の年齢になれば、生活コストがもっと低い地域に出ていくでしょう。多くの単身者にとって、港区は永住の地ではないことを数字が物語っています。
一方、2世代世帯(いわゆる核家族)や3世代世帯の割合は、足立区のほうがかなり高くなっています。親子何代かにわたって住み続けている人がかなりの割合でいるため、まだ地域コミュニティーが残っており、濃い近所付き合いが続いていると思われます。足立区の高齢者は、港区の高齢者よりも、家族や昔馴染みのご近所さんと接する機会が多いのです。さらに人口当たりの公的な介護施設も、足立区のほうが充実しています。それらのことが、高齢になってからの平均余命に影響していると思われるのです。