大阪で震度6弱の地震 被災地で気をつけたい健康のこと3つ
東日本大震災の被災地では、急性大動脈解離の患者が震災前に比べて2・2倍に増えたことが報告されている。主に高血圧が原因で、心臓から全身に血液を送り出す大動脈が急に裂けて突然死するケースも少なくない。被災地では普段以上に血圧に注意する必要があるのだ。
「ストレスによる交感神経の活性化は、食塩感受性も高めます。保存食は塩分が多く含まれているものが多いので、被災地での食事によっては高血圧に拍車をかけるケースもあるのです。血圧の上昇が一時的なものなのか、治療が必要なレベルなのかを見極める意味でも、血圧はしっかり把握することが大切です」
■脳・心血管疾患の発症が大幅アップ
被災者が受けるストレスは心臓そのものにも悪影響を与え、「たこつぼ心筋症」を引き起こす危険もある。
「強い精神的ストレスによって心臓の筋肉が収縮しにくくなり、左心室がたこつぼのような形で膨らんだまま動かなくなる病態です。すると、心臓から血液をスムーズに送り出せなくなり、胸痛、息切れ、圧迫感、全身の倦怠感といった症状が表れるのです。急性期には、危険な不整脈や心破裂といった命に関わる合併症を招くケースもあります」